シングルマザー

シングルマザーの貧困問題。生活保護を受ける以外の選択肢

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

シングルマザーの貧困率はどれぐらいか知っていますか?

日本の全体的な貧困率は15%程度です。

それでも多いな、と思いますよね。
100人いれば15人は貧困。
300人いれば45人が貧困です。

スポンサーリンク

もし周りに貧困な人がいないとしても、もしかしたら見栄を張って貧困だとみられないようにしているのかもしれない。
もしくは本当に貧困な人がいなくても、地域によって偏りがあって知らないところにたくさんの貧困にあえぐ人がいるのかもしれない。

さて、シングルマザーの貧困率は、なんと

6割

だと言われています。

シングルマザーだけを
「おーい!」
と言って集めたら、100人中60人は貧困だということです。

しかも不思議なことに、無職のシングルマザーよりも、働いているシングルマザーの方が貧困率が高いのです。
高齢者の貧困問題をみても、国民年金よりも生活保護の方が収入が多くなるという逆転現象が起きていて、よく批判されていますよね。

こうした状況を考えると、「真面目に働くのはバカらしい、生活保護を受けた方が生活が安定して、子どもとも一緒にいられる!」と考える人が出てきてもおかしくないように感じます。

貧困の定義を知っておこう

シングルマザーの貧困率は6割!!

なんて聞くと、「えらいこっちゃ!!」となりますね。

でも、そもそも何をもって「貧困」と言っているのでしょうか?

食べ物が十分に食べられないとか、洋服が買えないとか、電気代が払えないとか?

こういった調査で語られる「貧困」は、実はそうではありません。

貧困率は正しくは「相対的貧困率」と言います。
具体的には、その国の標準所得の半分を下回ることを「貧困」と定義しています。

日本の場合、所得の中央値は438万円です。(平成22年)

その半分、219万円以下の収入であれば「貧困」だということになります。

母子家庭の平均年収は291万円

さて、たしかにシングルマザーの稼ぎは少ないです。
平均は181万円。
見事に「貧困」です。

ただ、181万円というのはあくまでも「就労年収」であって、シングルマザーの場合は他にも養育費や児童扶養手当などの収入がありますよね。

それらを合わせると、平均年収は291万円だそうです。

あれ?
291万円なら貧困ではありません。

もちろんこれはあくまでも平均ですから、それより少ない人もたくさんいるということですが、それでも、「母子家庭の6割が貧困」というのは本当かな?という気がしてしまいます。

ちなみに、児童扶養手当は所得に応じて減額もしくは全額停止されますが、満額は4万1720円です。(子どもが一人の場合)
さらに児童手当も月々1万円あるので、国からの手当だけで62万円程度の収入になります。(地域によってはさらに手当がつくところもあります。)

つまり、貧困かどうかが決まる219万円のラインの所得を得るには、あろ160万円程度稼げばいい、ということになりますね。

児童扶養手当などだけでは足りない、と思われる方も多いとは思いますが、それでも国の福祉はある程度は整っています。
支給されるタイプの制度だけでなく「ひとり親家庭医療」とか「就学援助」のような制度もありますし、医療費や教育費が軽減され、さらに寡婦控除による所得税・住民税の軽減もあります。

就労所得だけ考えれば極端に貧困の人が多いとは思いますが、各種手当による援助があるということは知っておいた方が良いのではないでしょうか。

「絶対的貧困」に該当すると思いますか?

母子家庭の貧困率を語るときに使われているのは「相対的貧困率」です。
一般的な所得と比べた場合にいくらぐらい少ないか、ということをもとに考えるものです。

一方、所得に関係なく「自分は貧乏だ」「生活が苦しい」と感じていれば「貧困」だ、と考えることができますね。これを「絶対的貧困」と呼びましょう。

絶対的貧困の場合は年収がいくらあるか、というのは基準になりません。
住む地域によっても生活費は変わりますし、本人がどの程度の生活水準を維持したいのかによっても変わってくるでしょう。

では、仮に現在の年収が180万円だとして、児童扶養手当と児童手当で年間62万円、合計242万円の収入があるとして考えてみましょう。

年収242万円だと、生活は苦しくなるでしょうか?

経験の無い方からすれば「そんなの貧しいに決まってる!」と思われるかもしれませんが、実際に生活してみると242万円あればそれなりに暮らしていける人も多いと思いますよ。

約240万円として、月収は20万円です。
20万円では生活していけないものでしょうか?
貧しい生活になるでしょうか?

ポイントは「どこに住むか?」です。
家計の中で家賃が占める割合は大きいものですが、家賃が安いところを選べば十分に生活していけると思います。

市営住宅などであれば、1~2万円の家賃で住めるところもありますよね。
「子どもに転校させたくない」とか「地元を離れたくない」といった気持ちもあるとは思いますが、地元にこだわって貧しい暮らしをするのか、地元を離れてでもゆとりのある暮らしをするのか、どちらかを選ぶ必要はあるでしょう。

日本で生活していく以上は、手厚い福祉は期待できません。
もっと手厚い保護をしてほしいなら、福祉の充実した国に移住するしか方法は無いと言っても良いでしょう。

もちろん、日本の福祉は不十分かもしれませんが、それでもある程度は充実していると思います。
共働きでも貧しい人たちはたくさんいるのに、児童扶養手当はひとり親家庭にしか支給されません。
そういったことを考えれば、ある程度は自分の努力が必要で、「国がなんとかしろ!」と言うのもどうかな~と、個人的には思っています。

ちなみに筆者の場合は小学生の子どもが一人いるシングルマザーですが、20万円あれば6万円ぐらいは貯蓄に回せます。
つまり、児童扶養手当と児童手当には手を付けずに生活できます。
仕事が忙しいと遊ぶ暇も少ないのでお金を使うことは少ないですからね。

ちなみに筆者が会社員のときには年収200万円強と、各種手当で50万円ぐらい、合計250万円程度の年収になっていましたが、「うちは貧困だ」という意識はありませんでした。
「もっとお金ほしいな~」とは思うものの、別に「もっと手当がほしい」「生活保護を受けたい」という発想にはならなかったです。

生活保護はカンタンには受給できない

生活保護を受けている母子家庭も多いですが、かと言って「母子家庭なら生活保護を受けられる」というわけではありません。

生活保護がどういうものなのか、厚生労働省のサイトにはこのように書かれています。

「資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度です。(支給される保護費は、地域や世帯の状況によって異なります。)」

つまり、「仕事が無いもしくは仕事していてもお給料が安くて生活できないし、財産もなくてすっごく困ってる」という状態でなければ生活保護は受けられません。

お給料がすごく安いとしても、「もっと給料の高い仕事をしなさい」と言われます。
仕事が見つからなくても「もっとちゃんと探しなさい」と言われます。
ほんの少しでも蓄えがあれば「まずはそれを生活費に充てなさい」と言われます。

母子家庭で生活保護を受けられる人というのは、基本的には以下のどちらかだと言っても良いでしょう。

・病気などの事情で働くことができない、もしくは短時間しか働けず収入が足りない
・子どもの人数が多く、普通に働いていても養いきれない

筆者は、働ける体がある人が生活保護を受けることに対しては否定的な考えをもっています。
わたしの実家が生活保護を受けていたことがあるからです。
両親が離婚したあと、生活が一気に困窮しました。
これは母が無計画に離婚したからではなく、父親の方の事情で急に引越ししなければならなくなったからです。

母は働いていましたが収入は多くなく、頼れる実家もなく、生活費の足りない分だけ生活保護を受けたいと考えました。
収入が足りずどうすることもできないのに、実際に生活保護の相談に通い始めてから申請が許可されるまでに半年かかりました。休みのたびに福祉事務所へ通っていた母の苦労を考えると、今でも申し訳ない気持ちになります。

生活保護では「最低限の生活」をするためのお金が支給されます。働いている場合は、お給料の差額分だけが支給されるような仕組みです。
でも、筆者にしてみれば、これが厄介なんです。

仕事をがんばってお給料が増えても、当然その分の生活保護費を減らされるわけですから、全体の収入としては増えません。
そうするとどうなるか?
働く意欲をなくしてしまうのです。
だって、収入が変わらないのに仕事だけキツくなるんですからね。それならほどほどに働いて、生活保護をもらいながらゆっくり生活した方が良いに決まっています。

一般的な感覚で言えば、もちろん「そんなこと言わずに働け!税金をムダ遣いするな!」ということになるわけですが、当事者になってみれば、働くのがバカらしくなるのは当然だと思います。

だから、生活保護は極力回避すべきなんです。
生活保護を受けると貯蓄も許されません。
自立に向けて貯蓄をしたくても、少ない保護費をやりくりして貯めたお金がバレれば没収です。

これでは自立するのは大変です。
病気などの事情がある人は生活保護を受けるべきだと思いますが、「ちょっと無理したらなんとかなるかも」っていうレベルの健康な人は、生活保護を受けるよりもちょっと無理することをおすすめします。

生活保護費の不正受給がたびたび問題になっていますが、そのせいか最近はちゃんとした理由のある人すら申請を許してもらえないことがあります。
生活保護の受給中にもたびたび面談がありますし、プライバシーを晒してまで生活保護を受けるというのは精神的にもキツイのではないでしょうか。

生活保護は、本当の最終手段にすべきです。

生活が苦しい場合はどうすればいい?

生活が苦しいと感じている人は多いと思いますが、その場合は生活保護を受ける以外にどんな選択肢があるでしょうか?

まずは、支出を減らすことが大切です。
中には、今までの自分の生活水準を落とせない人もいます。
そういう人は、一度生活水準を大幅に落としてみることをおすすめします。
たとえば、「美容院は2か月に1回、ヘッドスパは必須!」という人は、半年に1回、千円カットにする、みたいな。
晩酌が欠かせないという人は、晩酌をやめる。ビールが好きな人も、炭酸水を飲むようにするとガマンしやすいそうですよ。
もしくはビールをやめてお徳用の焼酎に変えるという方法もあります。

そうやって大幅に生活水準を落としてみると、いろいろ分かることがあります。
「やっぱり千円カットはいまいち。普通の美容院に3か月に1回行くことにして、ヘッドスパは年に1回だけにしよう」と、自分がどの程度で満足できるかが分かってくるのです。
「ビールじゃなくてもPBの発泡酒で十分だな」とか「インナーはユニクロで十分だな」とか。
生活水準を落とすことができれば、支出はけっこう減らせるものですよ。

そして、収入を増やすことも大切です。
わたしの母も、離婚当初は時給の安いパートでしたが、途中で転職して時給が高めのパートになりました。さらにそこで契約社員になり、お給料が増えて多少のボーナスももらえるようになりました。
やりたい仕事を限定しすぎずに、少しでもお給料の高い仕事を探すと良いと思いますよ。
仕事が忙しくなることで子どもとの時間が減ることを心配する人もいますが、子どもとの時間というのは量より質です。
子どもがいる以上、どんなに忙しくても子どもを避けて生活することはできず、必然的に関わる時間はあります。その少しの時間で、十分なコミュニケーションをとるようにしましょうね。

それから、養育費をしっかり請求するということも大切です。
人によっては元夫が定職についていないとかそもそも行方不明だということもあるかもしれません。(まさに筆者の元夫ですね♪)でも、仕事をしていて連絡もつくなら、養育費はきっちりもらうようにしましょう。
「顔も見たくない」とか「イライラする」といった事情もあるとは思いますが、養育費をもらうのは子どもの権利です。そこはちょっとがんばって、元夫と交渉するようにしてください。

このように、生活が苦しいと感じていても、節約したり転職したりしてゆとりのある生活をしていくことは可能です。

シングルマザーの貧困問題は深刻だと言われていますが、だからと言って今すぐよくなる問題ではありません。
国がなんとかしてくれるのを待っているあいだにも子どもは成長しますし、自分自身も歳を取って老後の心配も出てきます。誰かがなんとかしてくれるのを待つよりも、自分から能動的に動いて、生活が良くなるように努力していった方が良いような気がするのはわたしだけでしょうか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク
スポンサーリンク

住まいの小箱の注目の記事


関連の記事