離婚

「離婚しても、夫の年金の半分はもらえる」はウソ!

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離婚を考えている人は、お金に関してはシビアに考えなければなりません。

今後の生活費、子どもの教育費、自分の老後資金……。
考えなければならないことはたくさんあります。
もし子どもがいれば一人で働いて、家事育児もしなければならないのですから、生活は大変になりますね。できる限りの準備をしておかなければ、離婚後に困ってしまうことになります。

子どもがいるなら、必ず養育費はもらわなければなりません。さらに夫に不貞の事実があれば慰謝料ももらわなければなりません。

さて、そうしてお金のことを考える中で、気になるのは「年金分割」のことではないでしょうか?

年金分割とは、離婚するときに夫の年金を妻にも分割してもらえるというものです。ここでは、年金分割制度がどのようなものなのかを確認しておきましょう。

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どうして夫の年金をもらえるの?

この年金分割制度は、平成19年に始まりました。始まった当初はかなり話題になったので、覚えている人も多いのではないでしょうか?

それまでは、離婚したとしても夫の年金を分けてもらうことはできませんでした。
でも、妻が専業主婦や扶養内のパート勤務の場合、離婚してしまえば妻は自分の年金しかありません。会社員の夫を支えるために専業主婦やパートとして尽くしてきた妻にも、年金をもっとあげても良いのではないか?という考えから、年金分割の制度ができました。

たしかに、夫は自分の年金がたっぷりあるのに、妻の年金が少ししか無いというのは不公平な感じがしますよね。そこで分割制度が始まったわけですが、次からはその制度の詳細を見てみましょう。

平成19年に始まった年金分割について

年金分割制度には2種類あります。
平成19年4月1日に始まった合意分割制度と、平成20年4月1日に始まった3号分割制度です。
それぞれ内容が違うので、混同しないようにしてくださいね。

まず平成19年に始まった合意分割制度ですが、これは、「半分もらえる」ものではありません。
双方の話し合いによって、最大半分もらえる制度となっています。

また、「夫の年金の最大半分をもらえる」というのではなく、夫婦二人の年金額を足して、それをどう分けるかを決めるものです。
たとえば妻は子どもが生まれるまでは会社員として働いていたなど、妻の年金もある場合はそれも合算してどう分けるかを話し合います。
ちなみに、共働きで妻の方が収入が多ければ、妻の年金を夫に分ける、と言うケースもありますので覚えておきましょう。

合意分割制度では、対象となるのは結婚してから離婚するまでのすべての期間です。
さらに分割できるのは厚生年金もしくは共済年金の報酬比例分のみであって、全額が対象になるわけではありません。

3号分割制度について

3号分割制度は、平成20年4月1日から始まりました。
この制度は、平成20年4月以降の厚生年金の記録が対象となります。つまり、それ以前の期間については対象になりません。

ただこちらの場合は、自動的に「半分」と決められています。
平成20年4月以降については、「半分もらえる」という認識は正しいと言えますね。

でも、こちらもあくまでも「厚生年金もしくは共済年金」が対象となりますから、自営業の人などは対象になりません。

手続きの方法は?

年金分割をする場合は、離婚後2年以内に手続きが必要です。

手続きは年金事務所にておこないますが、合意分割制度の場合は分割割合を決める必要があるので少し手続きが煩雑になります。

具体的には、

1.年金事務所に「年金分割のための情報提供請求書」を提出し、年金記録を取り寄せる
2.年金記録をもとに、分割割合を決める
3.取り決めた内容を公正証書にする
4.年金事務所に「標準報酬改定請求書」を提出する

という流れになります。

もし話し合いで分割割合が決められない場合は調停や裁判などで争うことになりますが、それでも話がまとまらない場合には裁判の判決で決めてもらうことになります。ちなみに調停や裁判になった場合は公正証書を作成する必要はありません。

このように、合意分割制度を利用する場合は少々面倒だとは思いますが、ほとんどの手続きはどちらか片方がおこなえば良いだけなので、スムーズに進められると思います。分割割合だけはもめる可能性もありますが、冷静に話し合うようにしてくださいね。

3号分割の場合は、分割してもらう方の人が手続きをすれば良いだけなので簡単です。

結局、分割してもらえる年金はいくらになるの?

結局知りたいのは、離婚した際に一体いくら年金を分けてもらえるのか、ということだと思います。

でも残念ながら、年金制度は非常に複雑なので、ここで明確にいくら、と言うことはできません。
ただ、夫が平均的な所得の会社員で妻がずっと専業主婦だった場合、結婚期間10年程度なら月額1~2万円程度加算される程度でしょう。
熟年離婚であれば結婚期間も長いのでもっと増えますが、それでも数万円程度だと思っておいた方が良いと思います。もちろん、夫の稼ぎが良い場合はもっと多くなります。

詳細に調べるには、「ねんきん定期便」があればある程度分かると思います。夫のねんきん定期便を見れば年金記録が分かりますから、報酬比例分がいくらぐらいになっているか見れば、計算できないこともありません。

手順としては、結婚期間中に支払っている報酬比例分の保険料を半分にして、その金額を自分が納めたことにしてネットの年金シミュレーションなどを使うことでどれぐらいの年金額になるのかが分かる、というやり方です。できそうであればぜひ試してみてくださいね。

こんな場合はどうなる? Q&A

事実婚の場合は、年金分割はできない?

事実婚であっても、年金分割はできます。
事実婚とは入籍をしていないだけで、夫婦として生活していた、という状態のことです。いわゆる「内縁の妻」「内縁の夫」と言うものですね。事実婚の場合も年金の分割は認められていて、事実婚であったことを証明できれば年金の分割ができます。事実婚を証明するものとしては、「同一世帯の住民票」が有効です。入籍していなくても住民票を同じにすることはできます。

元夫が死亡したら、わたしの年金はどうなる?

離婚後、たとえ夫が死亡したとしても、あなたの年金が減ることはありません。年金の分割というのは、その時に夫が支払っていた年金保険料の一定金額を妻が払ったことにするという制度です。記録が書き換えられた以上は、夫が死亡してもあなたの年金金額に影響はありません。

元夫もしくはわたしが再婚したら分割した年金はどうなる?

この場合も、分割した年金には何の影響もありません。元夫が再婚したからと言って、「湧けてやった年金を返してくれ」ということもありませんし、あなたが再婚したとしても「再婚したから前にもらった年金返します」ということも不要です。

年金分割は忘れずに手続を!

年金の分割制度は、「夫の年金の半分をもらえる」という制度ではありません。
ここまで見てきたように、「夫が30万円の年金をもらえるから離婚したらわたしは15万円もらえる」というようなことはありません。あくまでもさまざまな条件の中で分割されるものですから、大きな金額が入ることは期待しない方が良いでしょう。

でも、仮に月々1万円程度だとしても、年金が増えるのはありがたいことですよね。
月々1万円でも、60歳から85歳までもらうとしたら300万円にもなります。かなり大きな金額ですから、面倒がらずにきちんと手続きするようにしましょう。

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